第3回
ウィルス対策ソフトを導入するならば

公開日: 2017年8月16日水曜日





単刀直入にご紹介 「おすすめのウィルス対策ソフトはこれだ!」


 パソコンや院内ネットワークのセキュリティを考えた時に、必要なソフトとして真っ先に思いつくのは、ウィルス対策ソフトですね。

  • ウィルス対策ソフトは必要ですか?
  • ウィルス対策ソフトはどれががいいですか?

 これは、多くのお客様からたびたびいただく質問です。
 この2つの質問に対する筆者の回答はただ1つ、「はい、必要です。カスペルスキーインターネットセキュリティをおすすめめします」と答えるようにしています。

 ここで改めて、昨今の歯科医院におけるネットワーク環境を整理すると、

  • インターネット接続可能なネットワーク環境
  • インターネット接続から遮断されたネットワーク環境
  • その両方のネットワークが別々に存在する環境

と、大きく3つがあるようです。
 筆者もこれまで、この3つのパターンのネットワーク環境すべてに関わってきました。

 今のところ、非常に単純な考えかたなのですが、『インターネット接続可能なネットワーク環境内のパソコンにはウィルス対策ソフトを導入し、逆の場合は導入しない』としています。
 なので私が関わっている歯科医院のインターネットにつながっているパソコンには、おおむね「カスペルスキーインターネットセキュリティ」(最新版はカスペルスキー セキュリティ 2017/2017年8月現在)がインストールされています。


インターネットから遮断されたネットワークは本当に安全なの?


 ここで注目したいのは、「インターネット接続をしないパソコンであれば、本当に安全か?」という点です。

 本Webコラムの最初のほうで、「院内ネットワークにウィルスが入っていて、最初はその駆除から始めたことがある」と書きましたが、実はこのパソコンはすべて例外なくインターネット接続から遮断されたパソコンばかりでした。
 原因はおそらくUSBメモリかデジタルカメラのメモリカード(SDカードなど)で、ほぼ間違いありません。皆様も簡単に想像はつくと思いますが、これは、

  • 口腔内写真を撮影し、そのデータをパソコンに取り込む際にやりとりしたメモリカード
  • 症例発表などでパソコン内のデータをやりとりする際に使用したUSBメモリ

ということですね。これはほぼ毎日のように行われる行為で、そこまで深く危険性を考えていないのではないでしょうか。
 さらに興味深いところでは、「システム業者の担当者がシステムのバージョンアップのためにもってきたUSBメモリから院内ネットワークにウィルスが入り込んだ」という実例があります。

 少なくとも、インターネット接続がないネットワークも新品で導入した当初は、間違いなくウィルス感染はなかったはずです。今回示した例では、院長をはじめ、院内スタッフ、そしてまさかのシステム業者が感染源だったという結論になります。
 もちろんこれは「わざと」ではないのでしょうけど、だからこそ逆にセキュリティ管理の面では盲点といえます。

 この対応策として、「院内で使用するUSBメモリやメモリカードは、ウィルス対策ソフトがインストールされたパソコンで一度スキャンをかけてから院内パソコンに接続する」というルールを実行している医院もあるようです。
 徹底することができれば非常に有効な手段だと私も思いますが、この問題は非常になやましい課題です。


筆者がカスペルスキーをすすめる理由


 さて、筆者おすすめのウィルス対策ソフトの「カスペルスキーインターネットセキュリティ」ですが、「なぜこれをすすめるの?」と思われるでしょう。これについて、少し説明を加えておきます。

 筆者自身のパソコンにも、もちろんこの「カスペルスキー」を導入しています。この道20年の間、いくつかのウィルス対策ソフトを試しました。
 たとえば、

  • ウィルスバスター
  • ノートン
  • ZEROウィルスセキュリティ
  • マカフィー
  • ESET

 どれも、おそらく聞いたことのある名前ですよね。
 では数あるソフトの中から、筆者はなぜ「カスペルスキー」を選んだのか?

 このようなコラムを書く立場でありながら、このようにさまざまなメーカーのウィルス対策ソフトから「カスペルスキー」を選んだ以上、論理的に説明のつく理由を示さなければならないとは思うのですが、……正直に申し上げて「使ってみてのザックリとした感覚」です。たとえば「全商品を同じ環境のパソコンにインストールして同時に比較してみた」ということはやったことはありません。
 ……と答えてしまうと本当に説得力がないので、少しだけ理由を付け加えます。

 筆者はパソコンのメンテナンスとして、歯科医院以外にも多くのパソコンをみています。一般家庭のユーザー様の、

  • 立ち上がらない
  • 動きが遅い
  • ウィルスに感染した

といった症状にも対応しております。
 ウィルス感染したパソコンの駆除をするときは、そのパソコンからハードディスクを取り出して、筆者の作業用マシンに接続していくつかのウィルス対策ソフトでスキャンを実行するのですが、この時のスキャン結果がおおむね筆者の中で、「カスペルスキー」が一番よかったという感覚があります。

 一時期、パソコンにウィルス対策ソフトをインストールすると、パソコンの動きが著しく遅くなることがありましたが、その点でも現在筆者のパソコンに入っている「カスペルスキー」はパソコンに大きな負荷をかけず動いているようです。

 ちなみに「カスペルスキー」という名前は、このソフトの生みの親であり、会社の最高経営責任者(CEO)のユージン・カスペルスキー氏の名前に由来しております。彼は旧ソ連時代の諜報機関であるKGBに在籍していたことがあり、この分野のエキスパートです。
 正直なところ、筆者がカスペルスキーを使い始めたきっかけは彼の経歴の凄味に魅かれたところがあり、そして使ってみて、その使い勝手のよさを実感した次第です。

 なお、筆者はこの会社との利害関係は一切ありません。ここで売り込んだからといってなんの利益も発生しませんが、今回もあえて固有名詞をあげてご説明いたしました。
 もちろん、他メーカーのウィルス対策ソフトを否定するものではありません。


筆者からの提言


 さて、セキュリティ、インターネット接続の有無、ウィルス対策ソフトの有無……、みなさんはどのように感じますか?
 これまで多くの歯科医院に関わり、院長のお考えをお聞きしましたが、やはり「院内には患者さんの個人情報があるし、こわいので院内LANはインターネットに接続しない」という意見が多数派のようです。

 筆者の個人的な意見ですが、「あえて院内ネットワークをインターネットに接続して、全パソコンにウィルス対策ソフトを導入し、常にウィルス対策情報を最新のものに更新し、院内パソコンの使いかたルールを細分化する(たとえばホームページ閲覧やメールのやりとりをパソコン別に制限するなど)」のほうがいいかもしれないと思っています。
 この考えかたにはもちろん賛否両論があると思いますが、ここまで筆者が述べてきたことを総合して、あえてこのように提言してみました。

 ただし、1つだけ注意点があります。「ウィルス対策ソフトが入っているから100%安全」とはいえないということです。
 この現実を知ったうえで、パソコンを使うようにしてください。
 パソコンを取り巻く環境は日々猛スピードで、変化し進化しています。それに伴って襲ってくる脅威の形も、手を変え品を変えてきます。
 ソフト面でのセキュリティ対策は必須であると同時に、使う側もそれだけで安心をせず、新しい脅威の情報にアンテナをはって、その対策について勉強をするようにしてください。

* * *

 筆者にとっても歯科医院のセキュリティ対策は永遠の課題です。皆様が日頃取り組める方法や新しい脅威の情報は、筆者が皆様にわかりやすくご提供する必要があると感じております。
 今後また機会があれば、またリクエストがあれば、このテーマで何らかの形でお目にかかれると思います。

 セキュリティ対策で使うソフトはウィルス対策ソフト以外にもあるのですが、今回はここまで。
 次回はハード面ソフト面に続いて、人的な面について掘り下げていきます。
  • ?±??G???g???[?d????u?b?N?}?[?N???A

0 件のコメント :

コメントを投稿